この空気感がすごいです。その場に立って見上げているような臨場感。 樹液が流れる生き物なのに、まるで鉱物のように濁りがなく 光の結晶のように輝かしい桜に驚かされました。 また秋の季語に「空高し」あるいは「天高し」とありますが この空もどこまでも澄み渡り、突き抜けた高さを誇っているようです。 私たちが見上げている空ははっきりと宇宙までつながっている 連続体なのだなあと改めて気づかされました。 ふんわりと柔らかな桜の花弁とそれを包むこのなんともいえない 空気感。 清々しい日差しが暖かく優しく幹、枝、花弁を包んでいます。 ひんやりとした春の空気がもたらす冷気、 穏やかで力強さを増していく太陽の暖かな日差し、 優雅で清冽な桜の花々の重なり合い、まさに競演、 光と色彩のハーモニーです。 「春の歓び」という題名に重ねて「すべての始まり」という印象も受けました。 祝祭の喜びに満ちているので通年飾っておいてもよさそうですね。 目にするごとに気持ちも新たに元気を与えられそうです。 「春の桜」の良い点だけを集約したような、 美しく力強く輝かしい素晴らしい作品だと感じました。